自閉症におけるアイトラッキング

従来の自閉症研究における視線計測の応用は、「 眼を見る時間」というような視線の停留時間の比較 に基づいて行われてきたが、知見は必ずしも一致していない。研究チームは自閉症の客観的な評価 指標の開発に取り組み、Tobii アイトラッカーから出力される 「 いつ、どこを見ているか 」 について の視線計測データの時空間パターンを解析することによって、例えば定型発達群と自閉症群を従来 の方法よりも鋭敏に判別する方法を確立した。

視線計測はその一つの候補である。特に近年、 非接触型の視線計測装置の性能が向上して普及 したことで、成人だけでなく幼児や児童でも簡 単に視線を計測できるようになった。

背景

コミュニケーションと社会性の発達障害である 自閉症はかつての10倍の頻度で発生している。 自閉症は症状から診断が下される症候群で、確 認項目は多岐にわたり、診断の一致率を確保す るためには、十分な経験を積んだ専門家の診断 が必要である。だが必ずしも専門医・専門家の 数は十分ではないから、誰でも同じ定量的な結 果が得られるような補助的な検査法が求められ ている。

Tobii Pro アイトラッカーの最大の魅力は、頭に何も装着することなく、座るだけで計測できることである。キャリブレーションも簡単で、ある程度の頭部の動きも許容するので、従来視線計測は難しいと言われていた多動傾向のある自閉症のお子さんも無理なく十分な精度で計測することができた。

Professor Shigeru Kitazawa, Department of Dynamic Brain Networks, Graduate School of Frontier Biosciences, Osaka University

手段と方法

結果

レファレンス

1. Nakano, T. et al. Atypical gaze patterns in children and adults with autism spectrum disorders dissociated from developmental changes in gaze behaviour. Proc R Soc B277, 2935-43 (2010).
2. Hosozawa, M., Tanaka, K., Shimizu, T., Nakano, T. & Kitazawa, S. How Children With Specific Language Impairment View Social Situations: An Eye Tracking Study.Pediatrics129, e1453-e1460 (2012).

関連情報